酒類向けパルプモールドの設計基準

重量物を支える構造設計と、ギフトにふさわしい高級感の両立。
酒類向けパルプモールドとは、瓶やボトルという重量物を安定して支えながら、ギフトとしての高級感も両立させるために設計される緩衝・化粧構造です。
目次
酒類向けパルプモールドで重量物(瓶)を支える構造設計の考え方
酒類パッケージでは、内容物である瓶やボトルの重量を安定して支える構造が欠かせません。輸送時の振動や衝撃を想定し、パルプモールドの緩衝構造で瓶をしっかりホールドする設計が求められます。
リブ形状による構造設計
パルプモールドで瓶などの重量物を支えるうえで鍵となるのが、リブ(補強のための凹凸形状)です。リブを増やすことで支持強度を高めることができますが、数を増やしすぎたり形状を複雑にしすぎたりすると、成形時の不良率が上がり、かえって意味のないコスト高を招いてしまいます。強度と歩留まりのバランスを見極めた、精度の高い設計が欠かせません。パクトスは、これまで積み重ねてきた成形の経験値をもとに、過不足のない最適な形状設計まで一貫して行います。

製法で変わる厚みと密度のバランス
パルプモールドは製法によって、厚みと密度の関係性が大きく異なります。同じ重量の瓶を支える設計であっても、どの製法を選ぶかによって最適な板厚や必要な密度は変わるため、製法特性を踏まえた設計が欠かせません。
パルプモールド厚み(mm)
| 製法 | パルプモールド厚み(mm) |
| ウェットプレス | 0.7〜1.0 |
| セミウェット | 0.8〜1.2 |
| セミドライ | 1.0〜1.5 |
| ドライプレス | 1.5〜2.5 |
パルプモールド密度(g/㎤)
| 製法 | パルプモールド密度(g/㎤) |
| ウェットプレス | 0.60〜0.70 |
| セミウェット | 0.55〜0.65 |
| セミドライ | 0.40〜0.55 |
| ドライ | 0.35〜0.40 |
瓶のホールド方法から考える最適な製法選定
設計にあたっては、重量だけを基準に厚みや密度を割り出せばよいというわけではありません。お酒の瓶をどのように、どこまでしっかりホールドするか(できるか)によって、コストバランスも含めてどの製法が最適かが変わってきます。たとえば瓶の底面や肩の部分を面で支えるのか、点や線で支えるのかによって、求められる強度分布や許容できる密度は異なります。パクトスは、こうしたホールド方法の検討から製法選定、リブ形状を含めた構造設計まで、これらすべての条件を考慮したうえで最適なパルプモールドを設計します。


ギフト需要に応じた高級感の演出
季節限定酒や贈答用の日本酒など、特別な流通のお酒には、その価値にふさわしいパッケージが求められます。素材の質感や窓部分の意匠といった細部までこだわることで、大量生産品とは異なる特別な佇まいを演出できます。
既存事例からの学び
秋田県の酒蔵様の特別酒向けに開発した貼箱の事例では、素材の質感と佇まいにこだわった設計により、限定流通にふさわしい高級感を実現しました。パルプモールドを内部の緩衝構造として組み合わせることで、外装の高級感と実用的な保護機能を両立させることも可能です。
この記事はパルプモールド開発に関するKnowledge記事です。関連する事例(特別酒専用ラグジュアリーパッケージ設計)もあわせてご覧いただけます。ご相談はお問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。
